開発環境の構築 〜 スケジュール管理ソフトをS!アプリで作ってみよう(その2)
ひとまず開発環境を構築して、その後に"Hello, World!"を表示して、Exitボタンをクリックすれば終了するプログラムを書いてみる。(2008/11/18 追記 : 情報を更新した記事を書きました。)
開発環境の構築
Eclipseのインストール
EclipseのVer3.2.1をダウンロードしてくる。S!アプリの開発ツールのプラグインがVer3.2.1から対応となっていたので、それをダウンロードした。
日本語化のためのLanguage Packのプラグインも
ダウンロードした
Eclipseを使用するには、単純に適当なフォルダ(パスに空白は含めないようにしておいた方が無難な事が多い)にzipファイルを解凍し、eclipseのフォルダの中のeclipse.exeを実行するだけでよい。
日本語化やS!アプリ開発のためのプラグインなどは、zipファイルを解凍して、解凍したものをeclipse\plugingsに移動させ、Eclipseを再起動するだけでよい。
エミュレータのインストール
Softbankの開発者サポートのサイトからダウンロードしたエミュレータをインストールする。ダウンロードしたzipファイルを解凍し、解凍されたフォルダ内のexeファイルを実行するだけでよい。インストール先をデフォルトから変更可能であるが、変更すると後々大変なので、デフォルトのままインストールした方がよい。
このエミュレータだが、VGA画面には対応していないので(残念)、ほとんど使う事はなさそう。ちょっとした実験コードの動作に使うぐらいになりそう。
「Hello, World!」アプリを作る
プロジェクトの作成
まず、Eclipse上で、アプリ開発のためのプロジェクトを以下の方法で、作成
する。
- メニューで[ファイル]-[新規]-[プロジェクト]を選択する。
- [新規プロジェクト]画面で[その他]-[S!アプリ プロジェクト]を選択し、
[次へ]ボタンをクリックする。 - [新規 S!アプリ 作成ウィザード]の[S!アプリプロジェクトを作成します]
画面でプロジェクト名]を入力し、[次へ]ボタンをクリックする。
プロジェクト名は今回は、「HelloWorld」としておく。[デフォルトロケーショ
ンの使用]のチェックボックスはチェックしたままにしておく。 - [アプリケーション情報]画面で以下の情報を設定する。
今回は、上記でデフォルト値が設定されているものはそのままにしておく。そ
れ故、[ベンダー名]、[MIDletクラス名]のみ以下のように設定する。
- ベンダー名: com.example
- MIDletクラス名: HelloWorldMIDlet
- [MIDlet設定]画面で以下の情報を設定する。
- MIDlet-Name
- MIDlet-Version
- MIDlet-Vendar
- MIDlet-Jar-URL
- MIDlet-1
- MicroEdition-Profile
- MicroEdition-Configuration
-
後で変更したくなるのだが、取りあえずデフォルトのままにしておき、[次へ]ボタンをクリックする。
- [Java設定]画面で必要な設定を行う。普通はデフォルトのままでOKのはず。しかし、エミュレータをデフォルトのインストール先以外にインストールした場合は、[ライブラリー]タブのJARおよびクラスフォルダーのフォルダーを変更しておく。設定が終了したら[終了]ボタンをクリックする。
- [Javaクラス]画面が表示されるので、設定を行う。デフォルトパッケージの使用は推奨されませんと表示されているが今回は無視して[終了]ボタンをクリックする。
以上で、プロジェクトが出来上がる。
プログラムの作成
Eclipseのパッケージ・エクスプローラにHelloWorldのプロジェクトが表示される。そのプロジェクト内のsrcフォルダのデフォルトパッケージにHelloWorldMIDlet.javaファイルが作成されている。そのクラスをダブルクリックをして、エディタで開いて以下のように編集する。
import javax.microedition.lcdui.*; import javax.microedition.midlet.*; public class HelloWorldMIDlet extends MIDlet implements CommandListener { private Command exitCommand; private TextBox textBox; public HelloWorldMIDlet() { exitCommand = new Command("Exit", Command.EXIT, 1); String str = "Hello, World!"; textBox = new TextBox(str, str, str.length(), 0); textBox.addCommand(exitCommand); textBox.setCommandListener(this); } protected void destroyApp(boolean arg0) { } protected void pauseApp() { } protected void startApp() throws MIDletStateChangeException { Display.getDisplay(this).setCurrent(textBox); } public void commandAction(Command c, Displayable d) { if (c == exitCommand) { destroyApp(false); notifyDestroyed(); } } }
これで、コーディングは終了だ。
実行のためのファイルのビルド
次に、JARファイルとJADファイルを作成する。普通のJavaの開発環境だけだと結構面倒な作業なのだが、EcpliseのS!アプリ開発のためのプラグインをインストールしているので簡単である。プロジェクト内のbuild.xmlを右クリックし、ポップアップ・メニューから[実行]-[1. Antビルド]と選択してビルドするだけである。
ビルド後にbinフォルダの中に、HelloWorld.jad、HelloWorld.jarの2つのファイルが作成される。(注意:Eclipseのデフォルトの設定では、binを右クリックし、[更新]を選択しないとファイルが表示されない)
エミュレータでの実行
エミュレータを使って実行を行う。以下の手順で実行する。
- ビルドされたHelloWorld.jadファイルを右クリックして、[実行]-[構成および実行]を選択する。
- [構成および実行]ダイアログの左側のツリーで[S!アプリ]を選択する。
- ツリー上部の[新規]ボタンをクリックする。
- 右側の[名前]に「HelloWorld」とする
- [接続]タブを選択する。(デフォルトでは選択されている)
- [プロジェクト](HelloWorld)を選択する。
- [エミュレータ]には「S! Appli Emulator for JSCL1.3.2 Ver. 1.0.1」を選択する。
- [実行]ボタンをクリックする。