希望がないのは、経済にとっても致命的


を読んだ。

経済は消費に始まり、消費に終わる。

と言う、記述が印象的だった。

今この瞬間の消費がなければ、人々の所得は無いし、将来の消費への希望がなければ、投資は生まれない。いくら政策金利を下げても、人々が貯蓄に励んでも、将来への希望がなければ誰も投資をしない。


での

この国にはなんでもある。だけど、希望だけがない。

とのフレーズを思い出す。この本を読んだときは、幸福感に関する問題だと思っていたけど、経済へ決定的な影響力を持っていた事に気付いた。インフレターゲットなんか設定しても、希望がなければインフレをかいくぐるための資金移動がおきるだけだろう。

日本が失われた20年に向けてひた走っているのは、人々が安心して消費を拡大できるような社会状況を作れていないからだ。独身で生涯を過ごすと決めた若い人は老後に備えて消費を抑え、子育て世代は子どもの大学での学費に備えて消費を抑え、老人は病気や寝たきりの状態のリスクに備えて消費を抑えている。

子どもと老人の面倒を見る費用は国家が責任を持ってだすと決めない限り、消費は増えないよ。子ども手当てをばら撒きだと言っているニュースキャスターや経済評論家のは、自分がもらえないからひがんでいるだけだ。

特にこの人子ども手当てを批判するときの、これを認めたら自分は負け犬になってしまうとのあせりの表情がもろに出ている。

あとは、老後の生活への不安感を取り除ければ、だいぶ景気が良くなるのだが… 短命政権が続くと難しいだろうな。