[本棚]『インダストリアル・ルネサンス―脱成熟化時代へ』を読んだ

インダストリアル・ルネサンス―脱成熟化時代へを読んだ。

以下は読書メモ
インダストリアル ルネサンス 製造業競争力の主要因 ハードウェア マクロ 1. 政府の財政金融政策 税制 資本市場 貯蓄 ミクロ 2. 生産設備能力 工場 機械 ソフトウェア マクロ 3. 社会経済環境 労働倫理 規制 教育 ミクロ 4. 企業経営 組織 管理 生産システム 企業経営の要因に注目すべき 産業の成熟化 初期 デザインコンセプト確立前 少量生産 未標準化 流動的な生産ユニット 柔軟 多様 労働集約的 製品自体のイノベーション 発展後 デザインコンセプト確立後 大量生産 標準化 安定的な生産ユニット 緻密、柔軟性に乏しい 資本集約的 規模の経済 生産の合理化 生産ユニットのイノベーション 自動車産業のケーススタディ 技術の変遷 黎明期 多様な設計 動力源 ガソリン 蒸気機関 電気 車輪の数 三輪車 四輪車 ハンドルの形状 丸いもの 船の舵 試行錯誤の時代 T形モデル期 デザインコンセプトの確立 ガソリンエンジン 前方搭載エンジン 直結駆動軸 左ハンドル 頑丈な基礎的輸送手段 箱型鋼製筐体期 脱成熟化 水冷エンジン 後輪駆動 自動変速機 多目的乗用車 走るラウンジ 乗り心地 使いやすさ 小型車期 国際競争 燃費 修理不要 運転操作の信頼性 低価格高品質車 少ない利潤 低賃金の労働 低所要労働時間 1台あたりの低い資本コスト 生産のパラダイムの変遷 専業特化の生産システム 流れ生産 在庫の減少 緩衝在庫 ジャストインケース 未熟練工の活用 ラインの長時間稼動 検査して修理せよ 規模の経済 生産全段階での円滑化 緩衝在庫の削減 ジャストインタイム カンバン方式 設備を作業手順によって編成 現場作業員による解決 作業中断時間の削減 問題点をさらけ出す はじめから正しく作る 部品メーカーとの関係緊密化 人的資源の活用 ストレスは日米で差がない 解決手段を労働者に与える 効率よい労働 経営目的の明確化 設備と訓練 正しい価値観 目標の設定 難しい 達成可能 助言や見通しを求める 労働者への評価 貴重な資産 敵ではなく協力者 職位による特権を少なく 経営者のすべきこと 建設的段階 設計の概略を描く 情報交換 インフォーマル 専門家同士 専門家とユーザー間 リスク 罰しない 奨励制度 通常段階 設計の詳細を描く 各セクションへの委任 リスク 分担 組織の壁の管理 脱成熟化期 組織構造の作り変え 現場の人々の努力を結集 脱成熟化 既存の生産能力の破壊 需要サイドの変化 消費者の嗜好の変化 代替製品の価格の変更 今までと違う性能のトレードオフ 再び、研究と使用の学習へ コアコンセプトの変化 デザインコンセプトの変化 1. 建設的段階 既存技術と未開拓市場の結合 2. 通常段階 標準化と専門化 成熟期 3. 市場創出段階 新しいユーザーへの微調整 4. 革命的段階 通常段階から革命的段階への移行 破壊的イノベーション 陳腐化 資本設備 労働者の熟練 原料、部品 経営ノウハウ 組織の能力 価値観の破壊 新たな参入の促進 支配的デザインの確立後に起きる 初期の場合は破壊的とは感じられない 生産システムの変化 手作業による製造 作業工程を整備 第一段階 互換性のある部品 単純でまねしやすい 資本集約的でない製品 製品の変化に対応できない 第二段階 製品を技術的グループに分ける グループ毎のの生産ユニット 統合工程を作る 技術進歩を吸収可能 第三段階 製造工程と製品技術の不断の改良 製品のモデルチェンジ、新製品の開発 第四段階 部品メーカーの活用能力 第五段階 作業の流れを管理 在庫を減らす

印象的だったのは以下の記述

もしも、日本の社会的・政治的安定が失われかけ、労働者の高齢化が進み、生活水準についての欲求が急上昇し、さらに基幹産業が成長率を維持できなくなったとしたら― 要するに ― なんらかの条件が変わってしまい、その生産システムが依存している前提が虚妄だということになったならば、日本のシステムも必ずや泰然たりえないであろう。

今の日本の現状を見事に予言している。