NHKスペシャル「自動車革命」第二回を見た

NHKスペシャル」を見た。第一回に負けず、良い内容だった。

電気自動車は、破壊的イノベーションだったんだと言う事に確信が持てた。

中国の農村部の貧しい地域では、13万円の電気自動車が売られているそうだ。この自動車は時速40km程度しか出せないそうである。多分、一回の充電での航続距離も短いのであろう。しかし、これまで自動車は高くて手が出せなかった人たちにとっては、無いよりましなのであろう。

この無いよりましと言う状態は、破壊的イノベーションの最強の武器である。新興企業は、トヨタなどの既存企業に攻撃される事なく、技術を磨けるからである。トヨタの生産のコスト構造では13万円で同じものを作ることはできないであろう。だから、多分攻撃できない。

そうやって、攻撃されずに技術を磨いて実用的なものを作っていくと、そのうちにトヨタの電気自動車と性能的にいい勝負が出来るようになる。しかも、コストは断然安く。最高速度を3倍の時速120kmにするために、価格が3倍になっても39万円である。たとえ、10倍でも130万円である。この安さには既存企業は対抗できないと思う。

それから、日産自動車の電気自動車への取り組みも放映されていた。この内容が、まさにイノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき (Harvard business school press)に書いてある、イノベーションの押し込みに相当する内容だった。多分、電気自動車では思った程、利益を上げられず、「選択と集中」とか言って、ガソリンエンジン車に戻ってしまいそう。

それにしても、取材されている人の表情が特徴的で、映像はやっぱりすごいなと思った。

  • 中国の農村部の自動車を買う人のうれしそうな顔。
  • アメリカのベンチャー企業の人達の、いつも通りの強気一辺倒の顔。
  • それに引き換え、日産の人の苦しそうな顔。

日本には希望がないのかなあ。